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2023-04-07 17:19:00

顔面神経麻痺。

こんにちは、丘の上の鍼灸院です。

 

 

今日は『顔面神経麻痺』について。

 

 

顔面神経麻痺は、主に片側の顔の筋肉を動かすための顔面神経が何らかの原因で障害された病態をいい、中枢性と末梢性に分かれます。

  

中枢性のものは脳卒中などの脳内の病変によって起こり、末梢性のものは末梢神経でのウイルス感染や外傷によって起こります。中枢性か末梢性かの鑑別は肉眼で可能です。

  

顔面神経麻痺の原因の約60%はベル麻痺、約15%はラムゼイ・ハント症候群の末梢性顔面神経麻痺が占めます。

  

ベル麻痺は以前は明らかな原因が特定できないものを指しましたが、最近では単純ヘルペスウイルスの再活性が原因ではないかと言われています。50代で多く、一般に予後良好で、自然治癒率は70%と言われています。

  

それに対し、ハント症候群は帯状疱疹ウイルスの再活性が原因となり、20代、50代に多く、比較的予後が悪く、自然治癒率30%で、ベル麻痺と比べ経過もゆっくりです。

  

これらは様々な要因が引き金となり急に発症します。ウイルスの再活性と書きましたが、つまり免疫力の低下が原因と考えられます。ストレスや過度の疲労、睡眠不足、風邪による体力低下等々あげられます。

  

末梢性顔面神経麻痺の症状としては、閉眼ができない、額のしわ寄せができない、口角が下がる、食べ物がこぼれる、鼻唇溝が消失する、味覚の低下、聴覚過敏などがあります。中枢性だと額のしわ寄せが可能です。さらにハント症候群の場合は帯状疱疹ウイルスが原因のため、耳周辺には痛みを伴う水疱が見られ、難聴や耳鳴りも伴います。

 

  

顔面神経麻痺を発症してしまったら…早期の治療が予後を大きく左右します。

  

時間が経てば経つほど治りにくくなり、後遺症が出る可能性も高くなります。

  

 

病院では、炎症や浮腫を抑えるために1週間~10日程度ステロイドや抗ウイルス薬を投与し、一定の効果が認められます。神経の再生を促すためにビタミン剤も処方されます。

 

麻痺が軽度であれば薬物治療だけで改善に向かいますが、麻痺が高度な場合は一部麻痺が残ったり、中には全く変化が見られないこともあります。

 

ステロイド等の投与のあとは様子をみることになり、麻痺が高度であれば手術を勧められることもあります。 

 

 

鍼灸治療は発症から1週間くらいから可能です。病院での治療と並行してすることができます。

  

当院では、炎症を抑え、麻痺部の筋肉や神経に刺激を与えて麻痺の改善を図り、患部の血流改善と全身の治癒力を高めることを目標に治療を行います。

 

麻痺の程度や治療を始める時期にもよりますが、鍼灸治療によって改善される方は多くいらしゃいます。

 

鍼灸治療を始めるタイミングは早いほど改善する可能性が高くなりますので、お悩みの方は信頼できる鍼灸院に一度相談してみてくださいね。

 

また、発症後1年以上経過している場合は大きな改善は難しくなります。ですが、やはり見た目のこと、その場合でも少しでも改善する可能性があれば鍼灸治療を試してみてほしいと思います。