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7月&東洋医学の話①
こんにちは、丘の上の鍼灸院です。
7月2日㈰はセミナー参加のため休診、他は通常どおりの予定です。
よろしくお願いします。
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今日から東洋医学の話を続きで書きたいと思います。
ワードに馴染みがなかったりなんとなく拒絶反応があるかもしれませんが(自分も最初はそうでした)、意外とすんなり自分に当てはまる、納得できる部分も多くあります。
大きな病気でなくても日々体調の変化はありますよね。自分の心身は今どんな状態なのか、イメージがしやすくなると思います。
スローペースになるかもしれませんが頑張ります(自分の復習のためでもある)。よろしければぜひ。
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鍼灸や漢方の世界ではなんといっても基本の東洋医学、その中でも最初に習うのは『気』『血』『津液(水)』の3つ。
この3つが常にバランスをとりあい心身をスムーズに巡ることで、私たちの生命活動は行われていると考えます。
その中でも特に重要視されるのは『気』。
元“気”、やる“気”といいますが、“気”とは私たちを動かす生命エネルギーです。
血・津液をスムーズに運行させるのも、内臓を働かせる、体を動かすのも気のはたらきです。
気がスムーズに巡ることで全身を隅々まで温めていますし、
血・津液や内臓を必要なところに留めるはたらきもあります。
体表で病邪の侵入を防ぐバリアのようなはたらきもあります。
気が十分にあって、スムーズに心身をめぐっている状態は元気です。
気が足りなくなってしまった状態を『気虚(ききょ)』といいます。
なんで気が足りなくなるか。原因はどちらかが考えられます。
① 気が作れない / ② 気を消耗している
①気が作れない場合、食事の不摂生が原因となります。胃腸の負担になる食生活ばかりしていると次第に胃腸が弱り、栄養が取り込めなくなり気が作れません。元々胃腸が弱い、虚弱体質の人もこのタイプに当てはまります。
②気の消耗とは、体力的なものと精神的なものが考えられます。例えば過労は心身ともに消耗しまくりますので要注意。精神的なものだと、「気を遣う」というのはそのまま気の消耗につながります。
この気虚の状態になるとどうなるかというと、さっき言ったような気のはたらきができなくなるので、
・気分の落ち込みややる気の低下
・息切れ、疲れやすい
・カラダや手足の冷え
・食欲の低下、下痢や便秘
・汗が止まらない
・風邪をひきやすい
などの症状が出ます。でも誰もが1回はこういう状態になったことがあると思うんですよね。
それこそ働き過ぎのときや、人間関係に気を遣っていたとき、私も体や頭がズドンと麻痺しているような感じとか、手先や体の芯が冷えたような感覚、食欲がわかない、原因不明の下痢、体調を崩す…気が足りなくなっていたからなんですね。
このタイプの人はまずしっかりと休養をとることが大切です。休まないと回復しませんよ。
胃腸のはたらきが弱くなっている人は胃腸も休めてくださいね。腹八分目を心掛け、水分の摂り過ぎに注意して、お腹がすかないのに無理に食べる必要はないです。
自然な甘さのある食材は胃腸にいいとされています。
お米やお芋、かぼちゃや栗、とうもろこしなど、ほくほくしてあったかくて美味しいですよね。
よく噛むか柔らかくして食べてくださいね。
鍼灸でもお手伝いできますので、ご相談ください。
次回は気の流れが悪い『気滞(きたい)』について。
書こうと思えばどんどん長くなるので、Instagramで補足を書きたいところ。
『梅雨』
こんにちは、丘の上の鍼灸院です。
近畿地方も梅雨入りしましたね。
しばらく雨予報、梅雨の間は湿度も高い日が続きます。
湿気は東洋医学では『湿邪(しつじゃ)』という不調の原因になるもののひとつとして考えられています。
季節の変化により体に影響を及ぼす外的要因のことを『外邪(がいじゃ)』といい、風邪・寒邪・暑邪・湿邪・燥邪・火邪の6つあります。
春は風邪、夏は暑(火)邪、秋は燥邪、冬は寒邪、そして梅雨は湿邪が体に影響を及ぼします。
湿邪のイメージは『重い』『だるい』『ねばねば』『停滞』でしょうか。
湿度の高い環境下では、体が十分に汗をかくことが難しく、体内には余分な水分や老廃物が溜まって、めぐりが悪くなります。
また、湿気は胃腸に停滞しやすい性質があり、お腹の不調も出やすくなります。
この時期は体や頭がどんより重だるい、むくむ、食欲不振、下痢などの不調が多くなりますので注意が必要です。
また体内に溜まった余分な水は基本的に冷たい性質です。
冷たい飲食物は余計に胃腸の負担になることが多いので、夏野菜の美味しい季節ですが食べ過ぎないよう火を通して食べたり、冷たい飲み物は控えめにしてくださいね。
運動や入浴で体を温め汗をかくことも大事。室内は除湿器などを使って湿気を追い出すようにしてください。
ちなみに余分な湿気がたまりやすい飲食物(胃腸に負担をかける飲食物)は、生魚や生野菜などの冷たいもの、揚げ物や脂身の多いお肉、お菓子や果物(果物も甘くて冷たいので摂り過ぎ注意)、味の濃いもの、それから水分(もちろんお酒も)の摂り過ぎにも注意が必要です。
普段から摂り過ぎ注意なものたちですが、特に胃腸に負担がかかるこの時期は気を付けてみてくださいね。
梅雨が明けたら、次は暑さの厳しい夏がやってきます。
今から体調を整えて、夏を乗り切りましょう。
『立夏』
こんにちは、丘の上の鍼灸院です。
いつもありがとうございます。
今日5月6日(土)は『立夏(りっか)』。
夏が立つ、と書くように夏の兆しが見え始める時期です。
暦の上では今日から夏ということになります(いわゆる初夏ですね)。
気温は高くても湿度が低く、さわやかで過ごしやすい季節です。
これから陽気がどんどん増えてくるので、体に熱がこもったり、反対に汗をかきすぎてエネルギーを消耗してしまいがち。
少しずつ汗をかいて暑さに体を慣らしていかないとですね。
夏の過ごし方のひとつとして、夏の間に冬に悪化しがちな病気の予防をすることも意識してみてください。
夏の間にエアコンや冷たい飲食物で体を冷やすと、冬になってから冷えや痛みが悪化したり、風邪をひきやすくなったりします。
冷たい飲み物やアイスなど、熱くなった体を冷ますのによく食べますよね。私も食べます。
ですが常に冷たいものを摂ると胃腸のはたらきが悪くなり自律神経も乱れて夏バテにもつながります。
胃腸ってすごく大事。胃腸のはたらきは飲食物を消化吸収すること。
体は口に含んだものからできています。飲食物だけでなく呼吸もそうですね。
飲食物は胃腸のはたらきによって消化吸収されて、そのとおり血となり肉となります。
冷たいものの摂りすぎで胃腸は冷え、すると全身の血流も悪くなります。
特に冷え症の方は、冬になってから必死に温めても冷えを治すことは難しいです。
冷え症を治すなら夏。夏の間に冷やさないよう気を付けて、少しでも次の冬の厳しさに備えましょう。
暑いとシャワーで済ませがちですが、できるだけ湯船につかって、体を中から外から冷やさないようにして過ごしてくださいね。
『春』
こんにちは、丘の上の鍼灸院です。
これからはお知らせのほか、施術例や季節の養生法、おすすめのストレッチやせんねん灸でのセルフケアなど、何か皆さんの小さな変化のきっかけになるような更新もがんばっていきます。
すっかり暖かくなり、春は何かをはじめたくなる季節ですもんね。
『春』という季節を東洋医学の基本的な考え方である『陰陽五行説』で説明すると、
(正確には、陰陽論…すべてのものは陰と陽の二つの性質に分けられる
五行説…すべてのものは木・火・土・金・水の五つの要素に分けられる
という別々の思想からなる考え方です。)
陰陽論で「陰極まりて陽となす」とあります。陰の極まりは冬、その日が冬至です。その日から一転陽気が増えていき、立春から春のはじまりです。(ちなみに陽の極まりは夏至。そこから陰気が増えていき立秋から秋です。)
春は五行説でいう『木』の性質。物事のはじまりを表し、草木が芽吹くように柔らかくの伸びやかに成長する季節です。私たち含め動物たちも春の陽気を受け、活発になり生命力に溢れ心身ともに充実していきます。
また新陳代謝が高まり、冬の間溜め込んできた老廃物をデトックスしやすい季節です。(陰は内に溜め込み、陽は外に発散するイメージですね)
これだけ聞くとすごく素敵な季節ですが、その割に不調に悩まされる方が実は多いです。
なぜか?それは急激な環境の変化にあります。
実際には季節の変わり目で寒暖差が激しいこと。そして新学期、新社会人など4月は自分を取り巻く環境が大きく変化すること。あとは花粉などの異物と闘い、体は疲弊・興奮状態なこと。
春は変化の大きい季節で、その急な変化への対応がうまくできないのです。
そうすると精神的に不安定になったり、気分の落ち込みも出てきます。また春の陽気はすぐ身体の上部に上ってしまうので、ここでも対応できないと主に首から上の症状、イライラ・頭痛・めまいなどの症状に出やすくなります。
春はストレッチがおすすめ。ストレッチで気を全身に巡らせましょう。特に体の側面を伸ばすようなストレッチを試してみてくださいね。
そういうわけで、春は何かをはじめるにはもってこいの季節なわけですが、無理はせず自分のペースで。
気力体力を消耗する夏を乗り越えるためにも春の過ごし方は大切。春は伸び伸びと過ごせるよう頑張っていきましょう。(もう少し早い時期に書くべきでしたよね…)