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9月&東洋医学の話③
こんにちは、丘の上の鍼灸院です。
9月18日(月)は祝日ですが休診日となっております。
23日(土)の祝日は通常どおり営業しますので、よろしくお願いします。
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今日は東洋医学の話③です。
①②では『気』『血』『津液(水)』の3つの物質が私たちの心身を巡り生命活動を行っていること、
なかでも『気』のはたらきがスムーズにいかなくなった『気虚』と『気滞』の状態について書きました。
今回は『血』のはたらきと、血が足りなくなってしまった状態の『血虚(けっきょ)』について。
ご興味あればぜひ。
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血は気とともに全身をくまなく巡り、栄養を与えています。
狭義では血液ともいえますが、もっと広く、からだに栄養と潤いを与える物質です。
血には精神を安定させるはたらきもあります。
血が充実していれば心身が円滑に機能し、健康で安定した状態となります。
血が足りなくなった状態が『血虚(けっきょ)』です。
原因は気虚の場合と同じで、
① 血が作れない / ② 血を消耗している の2つがあります。
①の血が作れない場合、食事の不摂生や睡眠不足があげられます。
血も気と同じで、飲食物から取り込んだ栄養素から作られます。
血の原料となる食材を食べていない、または胃腸が弱って栄養を消化吸収できないと血が不足します。
また血は寝ている間に作られるため、睡眠時間が短いとじゅうぶんに血が作られず不足してしまいます。
②の血を消耗している場合については、女性は毎月生理があるので血が不足しやすくなります。
他にストレスや過労(特に肉体労働)、目の酷使によって血を消耗することなどがあげられます。
血虚の状態になると、
・顔色が悪い、唇や爪の色が淡い
・目のかすみ、ドライアイ、眼精疲労
・肌や髪の乾燥
・めまい、動悸
・不安感
・手足のしびれ
・寝つきが悪い、眠りが浅い、よく夢を見る
・抜け毛や白髪が増える
・物忘れが多い
・生理が遅れやすい
などの症状が出ます。
貧血と似たような症状ですが、貧血の検査をしても異常なしの場合も少なくありません。
検査では正常値でも、東洋医学的には血が不足したことでいろいろな症状が出ていると考えます。
このタイプはそのまま、血を補うことと、消耗を少なくすることが大事。
睡眠不足では血が不足します。
個人差もあるでしょうが、7時間くらいは必要かなと思っています。
私自身、6時間睡眠が続いたときと7時間のときとでは、かなり調子が違います。
またスマホやPCによる目の使い過ぎは血を消耗しますので、ほどほどに。
特に寝る前のスマホは入眠の妨げにもなります。
スマホは置いておいて、10分でも早く眠る準備に入りましょう。
それから胃腸に優しい生活を心掛けてくださいね。
油っこいもの、味の濃いもの、甘すぎるもの、冷たいものは控えめに。
普段の食事ではじゅうぶんな栄養が摂れているか振り返ってみてください。
血を作るにはたんぱく質が必要です。
食欲もあるし3食きちんと食べているという人でも、間食が多く、たんぱく質などの血を作るために必要な栄養素が少なくなっていることもあります。
ただし、胃腸が弱っている人は消化吸収の負担になるので、胃腸のケアが最優先です。
(東洋医学の話①『気虚』のところで書いています)
ストレスは体に熱を生み、血を消耗させてしまう原因になります。
ストレスが原因になってないかも振り返ってみてください。
虚(きょ)しているというのは弱っているということ。
気虚の場合と同じく、休息や胃腸のケアは基本です。
原因に気づけば対処できます。
自分にあった優しい生活ができているか、日常生活を振り返ってみてくださいね。
『立秋』
こんにちは、丘の上の鍼灸院です。
昨日8月8日は『立秋』、一応暦の上では秋のはじまりです。
少し太陽の位置が低くなったような。
以前はお盆過ぎたあたりから少し涼しくなるような気がしていましたが今年はどうでしょうか。
秋になるとだんだんと空気中の湿度が少なくなり、秋から冬にかけては乾燥に注意。
東洋医学では秋は『肺』と結びついていると考えられていて、咳が出やすくなったり、のどの渇き、肌の乾燥、便秘などの症状が出やすくなります。
梨はほとんどが水分で、体を潤す作用が◎。
柿はビタミンCが豊富で免疫力を上げて風邪の予防に。
イチジクは栄養価が高く特に女性に食べてほしい果物。
柿やイチジクは食物繊維が多く、便秘を解消し腸内環境を整える効果も◎。
梨や柿は食べ過ぎると体を冷やすので注意です。
ぶどうは疲労回復にいいとされ、夏から秋への変わり目にぴったり。果物には珍しく体を冷やしません。
どれも体を潤す作用が強く、秋におすすめの旬の果物です。
秋は次に来る寒さの厳しい冬に向けて準備する期間でもあります。
早寝早起きを心掛けて、冬に向けて夏の疲れをしっかりとりましょう。
だんだんと気温の変化も激しくなっていきます。
季節の変わり目は体調を崩しやすいので気を付けて過ごしてくださいね。
8月&東洋医学の話②
こんにちは、丘の上の鍼灸院です。
8月10日(木)は休診、11日(金)は祝日ですが営業します。
あとは通常どおりの予定です。
よろしくお願いします。
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前回から東洋医学の話を書いています。
前回、『気』とは私たちを動かす生命エネルギーであること、そしてその気が足りなくなった状態=『気虚』について書きました。
今日は気の巡りが悪くなった状態=『気滞(きたい)』について。
ご興味ある方は長くなりますが読んでみてくださいね。
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気はスムーズに全身を巡ることで私たちの心身にたくさんのはたらきをもたらします。
私たちのすべてを動かすおおもとのはたらきをしていると言えます。
気の巡りが悪くなり滞る=気滞の状態になると、私たちの心身には様々な影響が出ます。
精神的・肉体的なストレスが強く、うまく発散できていないとこのような状態になりやすく、繊細でストレスを溜めやすい人、ストレス発散ができないくらいに忙しい人に多いです。
気滞のイメージはスムーズに流れるべきものが流れず、滞り、詰まり、溜まってパンパンに張った状態。
このタイプの特徴は特に精神面に現れ、精神的に不安定になります。
主な症状は、
・イライラして怒りっぽい
・憂鬱や落ち込み、気持ちの浮き沈みが激しい
・肩こり
・のどの詰まり感(東洋医学では「梅核気(ばいかくき)」といいます)
・胃やお腹が張って苦しい、ガスやげっぷが多い
・生理周期の乱れや月経前症候群
などがあります。これも一度は経験したことがあるかもしれませんね。
このタイプは気の巡りをよくすること、溜まった気を発散することが大事です。
深呼吸や、運動して適度に汗をかくことで気を巡らせる。
普段からストレスを溜め込まないよう自分だけの時間をもつ。
普段ほとんど動かないという人はストレッチだけでもやってみてください。
万歳したり、肩を回したり、股関節をぶらぶらしたりして伸ばしたり、
気を全身に巡らすイメージでのびのびと過ごしましょう。
ストレス発散には大きな声を出すとかもいいと思いますよ、カラオケとか。
(ちなみに『気虚』は運動すると余計疲れやすく、『気滞』は運動することで調子が良くなります。)
ストレスの原因がなくなれば解消されるかもしれませんが、このタイプは性格的にストレスを抱え込みやすい人に多いので、慢性的にこの状態になります。
自分の状態を理解して、なぜこういう症状が出ているのかがわかれば、解消法も見つけやすくなります。
ご参考になればいいなと思います。
鍼灸でもお手伝いできますので、ご相談くださいね。
次回は『血』について。
7月&東洋医学の話①
こんにちは、丘の上の鍼灸院です。
7月2日㈰はセミナー参加のため休診、他は通常どおりの予定です。
よろしくお願いします。
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今日から東洋医学の話を続きで書きたいと思います。
ワードに馴染みがなかったりなんとなく拒絶反応があるかもしれませんが(自分も最初はそうでした)、意外とすんなり自分に当てはまる、納得できる部分も多くあります。
大きな病気でなくても日々体調の変化はありますよね。自分の心身は今どんな状態なのか、イメージがしやすくなると思います。
スローペースになるかもしれませんが頑張ります(自分の復習のためでもある)。よろしければぜひ。
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鍼灸や漢方の世界ではなんといっても基本の東洋医学、その中でも最初に習うのは『気』『血』『津液(水)』の3つ。
この3つが常にバランスをとりあい心身をスムーズに巡ることで、私たちの生命活動は行われていると考えます。
その中でも特に重要視されるのは『気』。
元“気”、やる“気”といいますが、“気”とは私たちを動かす生命エネルギーです。
血・津液をスムーズに運行させるのも、内臓を働かせる、体を動かすのも気のはたらきです。
気がスムーズに巡ることで全身を隅々まで温めていますし、
血・津液や内臓を必要なところに留めるはたらきもあります。
体表で病邪の侵入を防ぐバリアのようなはたらきもあります。
気が十分にあって、スムーズに心身をめぐっている状態は元気です。
気が足りなくなってしまった状態を『気虚(ききょ)』といいます。
なんで気が足りなくなるか。原因はどちらかが考えられます。
① 気が作れない / ② 気を消耗している
①気が作れない場合、食事の不摂生が原因となります。胃腸の負担になる食生活ばかりしていると次第に胃腸が弱り、栄養が取り込めなくなり気が作れません。元々胃腸が弱い、虚弱体質の人もこのタイプに当てはまります。
②気の消耗とは、体力的なものと精神的なものが考えられます。例えば過労は心身ともに消耗しまくりますので要注意。精神的なものだと、「気を遣う」というのはそのまま気の消耗につながります。
この気虚の状態になるとどうなるかというと、さっき言ったような気のはたらきができなくなるので、
・気分の落ち込みややる気の低下
・息切れ、疲れやすい
・カラダや手足の冷え
・食欲の低下、下痢や便秘
・汗が止まらない
・風邪をひきやすい
などの症状が出ます。でも誰もが1回はこういう状態になったことがあると思うんですよね。
それこそ働き過ぎのときや、人間関係に気を遣っていたとき、私も体や頭がズドンと麻痺しているような感じとか、手先や体の芯が冷えたような感覚、食欲がわかない、原因不明の下痢、体調を崩す…気が足りなくなっていたからなんですね。
このタイプの人はまずしっかりと休養をとることが大切です。休まないと回復しませんよ。
胃腸のはたらきが弱くなっている人は胃腸も休めてくださいね。腹八分目を心掛け、水分の摂り過ぎに注意して、お腹がすかないのに無理に食べる必要はないです。
自然な甘さのある食材は胃腸にいいとされています。
お米やお芋、かぼちゃや栗、とうもろこしなど、ほくほくしてあったかくて美味しいですよね。
よく噛むか柔らかくして食べてくださいね。
鍼灸でもお手伝いできますので、ご相談ください。
次回は気の流れが悪い『気滞(きたい)』について。
書こうと思えばどんどん長くなるので、Instagramで補足を書きたいところ。
『梅雨』
こんにちは、丘の上の鍼灸院です。
近畿地方も梅雨入りしましたね。
しばらく雨予報、梅雨の間は湿度も高い日が続きます。
湿気は東洋医学では『湿邪(しつじゃ)』という不調の原因になるもののひとつとして考えられています。
季節の変化により体に影響を及ぼす外的要因のことを『外邪(がいじゃ)』といい、風邪・寒邪・暑邪・湿邪・燥邪・火邪の6つあります。
春は風邪、夏は暑(火)邪、秋は燥邪、冬は寒邪、そして梅雨は湿邪が体に影響を及ぼします。
湿邪のイメージは『重い』『だるい』『ねばねば』『停滞』でしょうか。
湿度の高い環境下では、体が十分に汗をかくことが難しく、体内には余分な水分や老廃物が溜まって、めぐりが悪くなります。
また、湿気は胃腸に停滞しやすい性質があり、お腹の不調も出やすくなります。
この時期は体や頭がどんより重だるい、むくむ、食欲不振、下痢などの不調が多くなりますので注意が必要です。
また体内に溜まった余分な水は基本的に冷たい性質です。
冷たい飲食物は余計に胃腸の負担になることが多いので、夏野菜の美味しい季節ですが食べ過ぎないよう火を通して食べたり、冷たい飲み物は控えめにしてくださいね。
運動や入浴で体を温め汗をかくことも大事。室内は除湿器などを使って湿気を追い出すようにしてください。
ちなみに余分な湿気がたまりやすい飲食物(胃腸に負担をかける飲食物)は、生魚や生野菜などの冷たいもの、揚げ物や脂身の多いお肉、お菓子や果物(果物も甘くて冷たいので摂り過ぎ注意)、味の濃いもの、それから水分(もちろんお酒も)の摂り過ぎにも注意が必要です。
普段から摂り過ぎ注意なものたちですが、特に胃腸に負担がかかるこの時期は気を付けてみてくださいね。
梅雨が明けたら、次は暑さの厳しい夏がやってきます。
今から体調を整えて、夏を乗り切りましょう。