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8月&東洋医学の話②
こんにちは、丘の上の鍼灸院です。
8月10日(木)は休診、11日(金)は祝日ですが営業します。
あとは通常どおりの予定です。
よろしくお願いします。
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前回から東洋医学の話を書いています。
前回、『気』とは私たちを動かす生命エネルギーであること、そしてその気が足りなくなった状態=『気虚』について書きました。
今日は気の巡りが悪くなった状態=『気滞(きたい)』について。
ご興味ある方は長くなりますが読んでみてくださいね。
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気はスムーズに全身を巡ることで私たちの心身にたくさんのはたらきをもたらします。
私たちのすべてを動かすおおもとのはたらきをしていると言えます。
気の巡りが悪くなり滞る=気滞の状態になると、私たちの心身には様々な影響が出ます。
精神的・肉体的なストレスが強く、うまく発散できていないとこのような状態になりやすく、繊細でストレスを溜めやすい人、ストレス発散ができないくらいに忙しい人に多いです。
気滞のイメージはスムーズに流れるべきものが流れず、滞り、詰まり、溜まってパンパンに張った状態。
このタイプの特徴は特に精神面に現れ、精神的に不安定になります。
主な症状は、
・イライラして怒りっぽい
・憂鬱や落ち込み、気持ちの浮き沈みが激しい
・肩こり
・のどの詰まり感(東洋医学では「梅核気(ばいかくき)」といいます)
・胃やお腹が張って苦しい、ガスやげっぷが多い
・生理周期の乱れや月経前症候群
などがあります。これも一度は経験したことがあるかもしれませんね。
このタイプは気の巡りをよくすること、溜まった気を発散することが大事です。
深呼吸や、運動して適度に汗をかくことで気を巡らせる。
普段からストレスを溜め込まないよう自分だけの時間をもつ。
普段ほとんど動かないという人はストレッチだけでもやってみてください。
万歳したり、肩を回したり、股関節をぶらぶらしたりして伸ばしたり、
気を全身に巡らすイメージでのびのびと過ごしましょう。
ストレス発散には大きな声を出すとかもいいと思いますよ、カラオケとか。
(ちなみに『気虚』は運動すると余計疲れやすく、『気滞』は運動することで調子が良くなります。)
ストレスの原因がなくなれば解消されるかもしれませんが、このタイプは性格的にストレスを抱え込みやすい人に多いので、慢性的にこの状態になります。
自分の状態を理解して、なぜこういう症状が出ているのかがわかれば、解消法も見つけやすくなります。
ご参考になればいいなと思います。
鍼灸でもお手伝いできますので、ご相談くださいね。
次回は『血』について。
7月&東洋医学の話①
こんにちは、丘の上の鍼灸院です。
7月2日㈰はセミナー参加のため休診、他は通常どおりの予定です。
よろしくお願いします。
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今日から東洋医学の話を続きで書きたいと思います。
ワードに馴染みがなかったりなんとなく拒絶反応があるかもしれませんが(自分も最初はそうでした)、意外とすんなり自分に当てはまる、納得できる部分も多くあります。
大きな病気でなくても日々体調の変化はありますよね。自分の心身は今どんな状態なのか、イメージがしやすくなると思います。
スローペースになるかもしれませんが頑張ります(自分の復習のためでもある)。よろしければぜひ。
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鍼灸や漢方の世界ではなんといっても基本の東洋医学、その中でも最初に習うのは『気』『血』『津液(水)』の3つ。
この3つが常にバランスをとりあい心身をスムーズに巡ることで、私たちの生命活動は行われていると考えます。
その中でも特に重要視されるのは『気』。
元“気”、やる“気”といいますが、“気”とは私たちを動かす生命エネルギーです。
血・津液をスムーズに運行させるのも、内臓を働かせる、体を動かすのも気のはたらきです。
気がスムーズに巡ることで全身を隅々まで温めていますし、
血・津液や内臓を必要なところに留めるはたらきもあります。
体表で病邪の侵入を防ぐバリアのようなはたらきもあります。
気が十分にあって、スムーズに心身をめぐっている状態は元気です。
気が足りなくなってしまった状態を『気虚(ききょ)』といいます。
なんで気が足りなくなるか。原因はどちらかが考えられます。
① 気が作れない / ② 気を消耗している
①気が作れない場合、食事の不摂生が原因となります。胃腸の負担になる食生活ばかりしていると次第に胃腸が弱り、栄養が取り込めなくなり気が作れません。元々胃腸が弱い、虚弱体質の人もこのタイプに当てはまります。
②気の消耗とは、体力的なものと精神的なものが考えられます。例えば過労は心身ともに消耗しまくりますので要注意。精神的なものだと、「気を遣う」というのはそのまま気の消耗につながります。
この気虚の状態になるとどうなるかというと、さっき言ったような気のはたらきができなくなるので、
・気分の落ち込みややる気の低下
・息切れ、疲れやすい
・カラダや手足の冷え
・食欲の低下、下痢や便秘
・汗が止まらない
・風邪をひきやすい
などの症状が出ます。でも誰もが1回はこういう状態になったことがあると思うんですよね。
それこそ働き過ぎのときや、人間関係に気を遣っていたとき、私も体や頭がズドンと麻痺しているような感じとか、手先や体の芯が冷えたような感覚、食欲がわかない、原因不明の下痢、体調を崩す…気が足りなくなっていたからなんですね。
このタイプの人はまずしっかりと休養をとることが大切です。休まないと回復しませんよ。
胃腸のはたらきが弱くなっている人は胃腸も休めてくださいね。腹八分目を心掛け、水分の摂り過ぎに注意して、お腹がすかないのに無理に食べる必要はないです。
自然な甘さのある食材は胃腸にいいとされています。
お米やお芋、かぼちゃや栗、とうもろこしなど、ほくほくしてあったかくて美味しいですよね。
よく噛むか柔らかくして食べてくださいね。
鍼灸でもお手伝いできますので、ご相談ください。
次回は気の流れが悪い『気滞(きたい)』について。
書こうと思えばどんどん長くなるので、Instagramで補足を書きたいところ。
『梅雨』
こんにちは、丘の上の鍼灸院です。
近畿地方も梅雨入りしましたね。
しばらく雨予報、梅雨の間は湿度も高い日が続きます。
湿気は東洋医学では『湿邪(しつじゃ)』という不調の原因になるもののひとつとして考えられています。
季節の変化により体に影響を及ぼす外的要因のことを『外邪(がいじゃ)』といい、風邪・寒邪・暑邪・湿邪・燥邪・火邪の6つあります。
春は風邪、夏は暑(火)邪、秋は燥邪、冬は寒邪、そして梅雨は湿邪が体に影響を及ぼします。
湿邪のイメージは『重い』『だるい』『ねばねば』『停滞』でしょうか。
湿度の高い環境下では、体が十分に汗をかくことが難しく、体内には余分な水分や老廃物が溜まって、めぐりが悪くなります。
また、湿気は胃腸に停滞しやすい性質があり、お腹の不調も出やすくなります。
この時期は体や頭がどんより重だるい、むくむ、食欲不振、下痢などの不調が多くなりますので注意が必要です。
また体内に溜まった余分な水は基本的に冷たい性質です。
冷たい飲食物は余計に胃腸の負担になることが多いので、夏野菜の美味しい季節ですが食べ過ぎないよう火を通して食べたり、冷たい飲み物は控えめにしてくださいね。
運動や入浴で体を温め汗をかくことも大事。室内は除湿器などを使って湿気を追い出すようにしてください。
ちなみに余分な湿気がたまりやすい飲食物(胃腸に負担をかける飲食物)は、生魚や生野菜などの冷たいもの、揚げ物や脂身の多いお肉、お菓子や果物(果物も甘くて冷たいので摂り過ぎ注意)、味の濃いもの、それから水分(もちろんお酒も)の摂り過ぎにも注意が必要です。
普段から摂り過ぎ注意なものたちですが、特に胃腸に負担がかかるこの時期は気を付けてみてくださいね。
梅雨が明けたら、次は暑さの厳しい夏がやってきます。
今から体調を整えて、夏を乗り切りましょう。
帯状疱疹。
こんにちは、丘の上の鍼灸院です。
今日は『帯状疱疹』について。
帯状疱疹とは、水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる感染症です。
数日~10日間程チクチクとした神経痛のような痛みがあり、その後、体の左右どちらか一方の神経に沿って帯状に赤い水ぶくれを伴う発疹が現れます。
発疹は体の至るところに現れますが、最も多いのは胸から脇腹にかけてです。顔や目の周りに現れ、耳鳴りや難聴、顔面神経麻痺などの合併症が起こることもあります。
皮膚と神経の両方でウイルスの増殖による炎症が起こっているため、強い痛みを伴います。
原因は、子どもがかかることが多い「水ぼうそう」と同じウイルスです。
水ぼうそうは多くの場合1週間程度で治りますが、回復後もウイルスは体内からはなくならずに体の中に数十年以上潜伏します。
そのため水ぼうそうにかかったことのある人なら誰でも発症する可能性があるのです。
加齢やストレス、過労などが引き金となって免疫力が低下すると、潜んでいたウイルスが再び増殖し、神経に沿って体の表面に現れて帯状疱疹を発症します。
帯状疱疹自体は水ぼうそうと同様、そのうちにほぼ確実に治りますが、ウイルスの攻撃によって神経に強い損傷が生じ、皮膚症状が消えた後にも痛みだけが長い間残ることがあります。
これを『帯状疱疹後神経痛』といい、特に高齢の方や、帯状疱疹が重症であった方に起こりやすいといわれています。
帯状疱疹になったら、病院では抗ウイルス薬を使ってウイルスの増殖を抑制します。急性期の皮膚症状や痛みの緩和、合併症や後遺症を軽減するため、早期治療が大切になってきます。
もし帯状疱疹後神経痛が残った場合は、主に内服薬による治療を行い、痛みがひどい場合は神経ブロック注射を行うこともあります。
鍼灸治療ではあらゆる痛みに対して鎮痛作用が期待でき、帯状疱疹の場合は局所への低周波鍼通電療法を中心に行います。
また、帯状疱疹を発症すること自体、ストレスや過労で免疫力が下がった状態なので、全身治療で自然治癒力を高めるような治療もしていきます。
発症前のチクチクとした痛みの段階で鍼をすると帯状疱疹の発症を抑え、発症直後は病院と併用して治療することで早期の改善や後遺症のリスクを軽減します。
帯状疱疹後神経痛になったら完治まで時間がかかりますので、発症させない、発症しても早期にウイルスの増殖を抑えることが大切になってきます。
異変に気が付いたら一日も早く治療にかかってくださいね。
『立夏』
こんにちは、丘の上の鍼灸院です。
いつもありがとうございます。
今日5月6日(土)は『立夏(りっか)』。
夏が立つ、と書くように夏の兆しが見え始める時期です。
暦の上では今日から夏ということになります(いわゆる初夏ですね)。
気温は高くても湿度が低く、さわやかで過ごしやすい季節です。
これから陽気がどんどん増えてくるので、体に熱がこもったり、反対に汗をかきすぎてエネルギーを消耗してしまいがち。
少しずつ汗をかいて暑さに体を慣らしていかないとですね。
夏の過ごし方のひとつとして、夏の間に冬に悪化しがちな病気の予防をすることも意識してみてください。
夏の間にエアコンや冷たい飲食物で体を冷やすと、冬になってから冷えや痛みが悪化したり、風邪をひきやすくなったりします。
冷たい飲み物やアイスなど、熱くなった体を冷ますのによく食べますよね。私も食べます。
ですが常に冷たいものを摂ると胃腸のはたらきが悪くなり自律神経も乱れて夏バテにもつながります。
胃腸ってすごく大事。胃腸のはたらきは飲食物を消化吸収すること。
体は口に含んだものからできています。飲食物だけでなく呼吸もそうですね。
飲食物は胃腸のはたらきによって消化吸収されて、そのとおり血となり肉となります。
冷たいものの摂りすぎで胃腸は冷え、すると全身の血流も悪くなります。
特に冷え症の方は、冬になってから必死に温めても冷えを治すことは難しいです。
冷え症を治すなら夏。夏の間に冷やさないよう気を付けて、少しでも次の冬の厳しさに備えましょう。
暑いとシャワーで済ませがちですが、できるだけ湯船につかって、体を中から外から冷やさないようにして過ごしてくださいね。